理事長所信
2018年度 公益社団法人岡山青年会議所
第68代理事長 青木 浩平
はじめに
私たちが暮らし、生業を営む郷土おかやまは、災害が少なく、温暖な気候で、交通の結節点としての利便性も良く、移住したいまちの上位に選ばれ続けています。東京ではオリンピックが開催されるなど首都圏では盛り上がりを見せていますが、郷土おかやまに目を向けると、近年の少子化や大都市圏への人口流出を一因とした、2020年以降見込まれる岡山市の人口減少問題など、依然として抱えている課題は多くあります。人口減少は社会構造そのものを変えていかなければならない地方の問題です。このような時代において、郷土おかやまが抱える様々な問題を社会構造変革のチャンスと捉えるのであれば、郷土おかやまでまちづくりを担う私たちは何をしなければならないのか。
岡山青年会議所が、郷土おかやまと共に飛躍するためには、誰よりも先駆けて、一石を投じ、先進的で斬新な手法で、地域の問題を解決することが求められます。おかやまに住む人々が郷土に誇りを持ち、おかやまを愛する岡山人となる運動・事業を展開することで、ひとが集い活力あふれる郷土おかやまを創出しましょう。
ひとづくり室 時代が共感するリーダーの創出
岡山青年会議所のひとづくりの本質は、徹底的にひとにこだわることで育まれる泥臭く妥協のない人間関係にあります。青年会議所の門を叩いた年齢や職種の違う人間が、互いに切磋琢磨し、己を律することで力強く生きる術を身につけていきます。また、机上ではなく事業や様々な人財との交流を通して、礼儀・礼節を学び、青年経済人としての所作を身につけるのです。そして、成果や結果よりもその過程、とりわけ共に費やす時間にこそ意義を見出すひとづくりの中で、思いやりの心を育み、利他の精神で行動できるリーダーへ誰もが成長していかなければなりません。しかしながら、その環境に浸るだけでは自己成長を実現することはできません。今までは避けて通っていた道を、自ら少しの勇気を持ち、その道を選択することが必要です。自らの成長を貪欲に求め、率先して行動しなければ、何も得ることはできません。一度きりの人生の中で、まだやり直す時間もある青年期であれば、まずは実行しよう。自分がやると決めた結果、後悔はないはずです。しっかりと目的意識を持ち岡山青年会議所という道場で修練を積み、奉仕の心を養い、かけがえのない友情を育むことで、周囲を巻き込み、時代に先駆け一石を投じ、共感の輪を広げられるリーダーへと成長しましょう。
まちづくり室 共感溢れる地域の創出
全国と比べ人口の推移が緩やかな岡山市ですが、少子高齢化による人口減少は、避けて通れない課題となっています。人口減少によって引き起こされる問題は、産業の担い手不足や、地域コミュニティの機能低下など、私たちの身近なことばかりです。おかやまに戻ってくる人々、或いは、おかやまに移住する人を増やすためには、若い世代が生き生きと暮らせるまちでなければなりません。そのためには、一つでも多くの魅力を見出し、まちの活性化を目指す必要があります。
若い世代が夢を描けるまちの創出に向け、岡山青年会議所は、おかやまにしかないポテンシャルの高い地域資源を掘り起こし、新たな人の流れを生むことで、まちを活性化させなければなりません。それを実現させるためには、岡山青年会議所単体で考えるのではなく、様々な団体と手を携え、それぞれの強みを活かし、まちづくりを展開することも必要です。その結果、若い世代がおかやまの価値に気づき、おかやまに誇りを持ち、おかやまの為に行動し、おかやまのまちを愛してやまない、共感の輪が広がるまちおかやまを実現していきましょう。
今年25回目の節目を迎えるうらじゃ。四半世紀が経ち、今では2日間で約50万人以上を動員し、すっかりおかやまの夏の風物詩として定着しています。先輩方が「共生と融和」をテーマに創り、育ててきたうらじゃが、おかやまのまつりとして今後も持続的に発展するために、絶えず多角的に見据え支援していきます。
交流室 共感から生まれる至高の場の創出
私たちは青年会議所という団体で、修練・奉仕・友情を信条とし、青年期のかけがえのない時を地域の為に同志と共に活動しています。その同志と、貴重な時間を共有し、夢を語り合うことで、信頼を築き成熟される友情。友情を育む時間を、価値あるものと為すためには、この時、この瞬間にお互いが何かを得ようと弛まぬ努力をし、交流しなければなりません。そして、フィールドは県内にとどまらず、全国、世界へと用意されています。その貴重な機会を設営する際には、ただ楽しい時を過ごすのではなく、必ず気づきや学びが得られるよう熟慮し、相手の趣味嗜好を徹底的に調べ上げ、心地良い時を提供するこだわりを持った設営をしなければなりません。そして参加する際には、まず、何事にも積極的に参加し、設えの意を介し、礼儀・礼節を弁え、感謝することが必要です。もてなす側、もてなされる側の、思いが相交わることで、至高の場となるのです。
また、例会はメンバーが一同に会し、学びや友情を育む貴重な時間であり、効果的な青年会議所活動を生み出していく場でもあります。メンバー同士が新たな情報を共有し共感することで、成長できる設えも必要となってきます。だからこそ、学びや気づきが多く得られる場へと確立し、メンバーが必ず行きたいと思える例会とすることで、岡山青年会議所の運動の効果を高めていけるのです。
岡山青年会議所がこだわり、先輩から連綿と受け継ぎ、築き上げてきた「おもてなし」の精神。相手の事を一番に考え、相手の喜びを自分の喜びとし、誠心誠意準備し、迎える「おもてなし」より育まれる友情をもって、自己成長を実現し、自分にしかできない青年会議所活動の楽しさを謳歌しよう。
総務室 共感を呼ぶ組織運営の確立
地域で活躍するリーダーが集まり、成長できるのが岡山青年会議所です。しかしメンバーが少なくては会員の質の向上や、発信力を発揮することは難しくなります。志高いメンバーを一人でも多くおかやまのために輩出していくことは私たちの使命です。そして、時代の先端を走り、地域に貢献していくことは私たちの使命でもあります。この誇りある組織を未来に紡いでいくためにも、積極的に会員拡大に取り組んでいかなければなりません。何よりも私たちが、岡山青年会議所の看板だという意識を持ち、私たちの身近な家族や会社に好意的に共感を得られる青年会議所活動を行うことが、最大の拡大ツールになるのです。また、おかやまに住む人々に対しても、私たちの認知度は、まだまだ満足いくものではありません。私たちが日々行っている活動、特に社会的信頼のある公益目的事業については、SNSや紙媒体による発信、マスコミや行政と手を取り、総合的に広報していくことで、岡山青年会議所の存在感を高めていきましょう。
岡山青年会議所は、公益法人格を有する団体であるからこそ、組織運営について意識しなければなりません。財政運営については限られた予算を公平にかつ、効率的に利用することはもちろんのこと、コンプライアンスの徹底された社会的信用のある団体として活動し、岡山青年会議所の価値を高めていく組織運営を行う必要があります。また、能動的に行動し、組織の要として歴史を紐解き、会員の資質、そして私たちが行う事業の本質をしっかりと吟味することが求められます。
岡山青年会議所が今後、持続的な発展を遂げる団体であるためには、伝統に学びかつ、ひとつとなり、明るい豊かな社会の実現に向け、時代の先をいく活動を展開していきましょう。
むすびに
数ある団体の中で、私たちは岡山青年会議所を選択しました。岡山青年会議所という学び舎で私たちは、かけがえのない友情を培い、ひとづくり、まちづくり事業を展開しています。自分を信じ、仲間を信じることで、今までの自分では乗り越えることのできなかった高い壁も乗り越えることで、自分たちの可能性が広がる喜びを感じているはずです。そのことは青年会議所だからこそ味わうことのできる醍醐味です。しかしながら、大切な家族、会社の時間を青年会議所につぎ込み、たくさんの人を巻き込みながら活動しています。だからこそ私たちは、享受できた喜びを、必ず自分の身近なひとへ、自らの大きな成長と共に伝え、共感を得ることが最大の責務なのです。ひとの人生の価値を測ることはできませんが、ひとに徹底的にこだわる中で高い熱量を持ち合わせ、かけがえのない仲間とともに今を精一杯懸けることで、これからの時代に生きる自分たちの子供や孫に誇れる活気ある郷土おかやまを、創出することができたならば、至極幸せな人生となるのではないでしょうか。
最後に本年度も公益社団法人日本青年会議所に多くのメンバーを出向させていただきます。岡山青年会議所としても全力で担うべき役割を全うしていきます。特別会員の皆様、関係各位におかれましては本年も岡山青年会議所に多大なるご支援、ご協力を賜りますことを心よりお願い申し上げます。