理事長所信
2025年度 公益社団法人岡山青年会議所
第75代理事長 妹尾 愛希
はじめに
岡山青年会議所は、日本の青年会議所の中でも歴史が古く、全国で9番目に設立されました。その長い歴史の根幹にあるものとは、一体何なのでしょうか。岡山青年会議所設立趣意書によりますと「青年は人類社会発展の原動力」そして「郷土の産業経済的発展」「日本経済の再建に携わる」と記されています。この創始の精神は、我々が大切にしている「ひとづくり」の真髄と「まちづくり」への希望に密接に関わっている重要な行動指針であります。
現在の岡山青年会議所は、先輩方のご尽力とメンバーの拡大活動への熱意で、仲間は着実に増えていると言えます。また会員数の増加に伴い、大規模な事業を展開できる組織に発展をしてきました。そして、多くの市民にも積極的な参加をいただいており、次の事業を心待ちにしてくださる方々も増えました。さらに、参加者の中には事業を通じて新たな可能性を見出せた、という声も聞かれるぐらいです。多くのメンバーに恵まれたからこそ、これからますます、地域に求められる組織に進化をしていく時です。
そのためには、まず我々が岡山青年会議所を通して、青年らしくより大きな夢を描かなければなりません。活動として無難な方法を模索するのではなく、若者らしい大胆な手法を用い、かつての先輩諸氏が多くの挑戦をされてきたように。究極の人生の学び舎、岡山青年会議所のメンバーなら、大志を抱き、勇猛果敢に運動を起こすことができると確信しています。我々は先人の方々が大切にしてきた誇りと伝統を重んじ、何事にも出席ではなく参加にこだわる組織であり続けるべきです。なぜなら、その中に様々な気付きと新たな学び、結果的に大きな夢へとつながるヒントに気付くことができるからです。
そして、岡山青年会議所創立 75 周年の節目の今、私にはより一層大きな夢が 2 つあります。
1 つ目は、我々が暮らす「おかやま」の地で後世に引き継ぎ続けられる事業を展開し、青少年の人生観に新たな可能性という芽を芽吹かせることです。いつか未来の若者たちに「あの事業を始めたのは我々だ」と胸を張って言うことができる「まちづくり」を、全身全霊をかけて取り組みましょう。
2 つ目は、多くの仲間と厳しさの中にも、愛情のある本当の意味での一枚岩の組織をつくることです。活動の中で、メンバーの一人ひとりに焦点を当て、そのひとの人柄から仕事、家族のことまでわかり合ったうえで、共に青年としてのあるべき姿を追い求め、礼儀礼節を重んじ、誰よりも利他の精神をもち続けられる、厳しくも温かい岡山青年会議所を一丸となってつくりあげていきましょう。
ひとづくり室 (夢を描くための基礎づくり)
2025 年度のひとづくり室のテーマは「膝と膝を突き合わせられる関係性の強化」です。
岡山青年会議所の「ひとづくり」は長きにわたり連綿と受け継がれ、守り続けてきた類いなき至宝です。いかなる時代やいかなる状況下でも、メンバー同士の切磋琢磨によって「おかやま」の地域の発展に貢献してきました。
多様な環境、違う価値観をもった新会員と受入れスタッフが、同じ目標に向かって濃密な時間を過ごすことで、かけがえのない友情と絆を育みながら、自ら考え行動し、志をもって希望に向かって挑戦をすることができる環境ときっかけを提供し、その上で他を愛する気持ちと次世代を担うリーダーシップを育むことができる、一人ひとりに成長しなければなりません。
昨今の不安定な社会情勢、厳しい時代だからこそ、我々の原点である三信条を突き詰め「修練」を重ねることを第一とし、強くそしてしなやかなリーダーへ、大きく進歩するべきです。将来の岡山青年会議所を牽引できるメンバーが育てば、各々が活動の中で大志を抱き、その大志を叶えようと行動する力が、今度は組織を成長させていく好循環になるはずです。「ひとづくり」の本質を心に刻み、誰もが夢描き、夢を語り合う、最高の組織の基礎をつくりあげていきましょう。
まちづくり室 (まちと市民に夢与えられる存在へ)
2025 年度のまちづくり室のテーマは「市民に必要とされる仕組みづくり」です。
我々の暮らす岡山市は多くの魅力があるまちです。交通の利便性、恵まれた気候は勿論のこと、歴史と文化、昨今ではアートのまちとしても認知度を上げています。これらの魅力ある岡山市を、若者ならではの発想力と行動力を用いて、今あるまちの資源のさらなる可能性への気付きを与えられる事業を目指して「まちづくり」に取り組む必要があります。我々岡山青年会議所は「まちづくり」を行うことのできる団体です。イベントやまちおこしではなく「まちづくり」という言葉の意味を深く考えてみてください。親会のない自立した組織だからこそ、より自由な発想で、一人ひとりの人材の力を存分に発揮し、我々ならではの「まちづくり」を、今の「おかやま」には何が必要か、岡山青年会議所がやるべき事業かにこだわり、市民に気付きや希望を与えられる事業を展開していきましょう。
また、まちの未来のために、青少年の育成は必要不可欠です。様々な生活環境の変化、価値観の多様化する昨今、体験、経験の格差は、段違いに広がりをみせています。百聞は一見にしかずという言葉があります。我々が様々な事業を通じて子供や若者が「まずやってみる」ことができる場をつくり、その経験から得られる知識の向上は「おかやま」に住む青少年の視野と考え方を広げる可能性をもつのではないでしょうか。青少年の可能性の広がりは即ち、夢の広がりに直結しています。青少年の夢が広がれば、ひいては我々の暮らすまち「おかやま」もますます活気づいていくでしょう。
連携室 (地域との夢の架け橋)
2025 年度の連携室のテーマは「他団体との連携向上」です。
岡山青年会議所の強みは多くの他団体と出会い、共に協力体制を敷くことができるところです。その多くの他団体と連携し、ひとの力を存分に発揮するためには、今までの既存の連携先だけにこだわらず、常に前向きな手法を模索し、その上でもっと産官学等の連携を密にし、強固な絆をつくっていかなければなりません。それぞれ一つの団体では成しえない事業を我々が架け橋となり、岡山青年会議所らしく先頭を走り続けるトップリーダーとして、まちにとって必要な事業を我々らしい発想でつくりあげ「おかやま」になくてはならない存在として確かな存在感を示し続けましょう。
また、「おかやま」の夏の風物詩として市民に愛されている「うらじゃ」は、今年 30 回の節目を迎えます。偉大な先輩諸氏が「共生と融和」をテーマに愛情をもって生み育て、多くの方々が関わりながら成長し続けている「うらじゃ」に関しては、様々な可能性を模索し、もっと広い視点から「おかやま」の更なる賑わいにつながるように、運営に関わっていかなければなりません。様々な困難があるとは思いますが、青年だからできる斬新な発想と確かなビジョンをもって「おかやま」の夏を代表するまつりに情熱をもって取り組んでいきましょう。
交流室 (交流から広がる夢)
2025 年度の交流室のテーマは「交流とは自分磨き」です。
我々の活動の中には、様々な方々との交流が必要不可欠です。人とひとが集う場では、お互いが気持ち良く過ごすための礼儀作法やマナーがあります。礼儀は相手に対して敬意や感謝の気持ちを表し、人とひととのつながりを円滑に結び付けてくれるものです。そして、交流の中から学べることも多くあります。ただ顔を合わせるための機会だけではなく、そこで成長するには、共に「おもてなしの精神」に基づく、積極性と学ぶ意識を高くもつことが肝要です。他 LOM や先輩諸氏との交流の機会を最大限に活かし、各々が自ら行動を起こすことで、自分自身を磨き上げていきましょう。
また、我々は運よく同じ時代に生まれ、同じ志の元に集まったメンバーで同志です。この奇跡の上で成り立っている活動の意味と意義を今一度考えてみましょう。そうすれば、メンバー同士で交流することの重要性を再認識することができると思います。メンバーが集う時間は、それぞれが己の時間を調整し、仕事や家族の理解のうえ、やっとの思いで生み出した貴重なものです。使った時間と労力に見合うだけの「対価」が得られなければなりません。その得た「対価」を地域や仕事、家庭に還元してこその青年経済人ではないでしょうか。誰よりも理想を求め、一人ひとりに気付きと学びの場を提供していきましょう。
総務室 (夢を支える屋台骨)
2025 年度の総務室のテーマは「時代に合った組織運営の基礎」です。
メンバーを拡大する活動は、我々にとっての基本中の基本です。誰でもチャレンジをすることができ、かつ出会いの中に学びと成長がある拡大活動をもっと楽しんで行うべきです。岡山青年会議所の魅力は「入らなければ分からない」とよく言われますが、だからこそ、その魅力を少しでも伝えるには、拡大活動をする人間がより魅力的であることが必要不可欠です。また、岡山青年会議所の活動を多くの市民の皆様に認知していただく必要があります。マスコミや行政と協力し、そして SNS 等を活用しながら、広く発信し認知を高めます。しっかりとした広報戦略を立て、事業の広報は勿論のこと、LOM 内外への最適な発信をまめにし、その活動意義と成果を伝えることで、岡山青年会議所のブランディングを行います。
岡山青年会議所を支える屋台骨が総務の役割です。メンバー一人ひとりに積極的な活動があり、それが岡山青年会議所の運動となって、まちの大きな発展に寄与しています。そのときに忘れてはならないのは、組織としての社会的信頼です。信頼があってこそ、我々の活動、運動は信用を得られ、円滑に進めていくことができます。時代の移り変わりとともに組織の在り方や求められるものも変わっていきますが、総務は組織の要として、より規律性を高く、コンプライアンスを遵守し、組織の透明性や会計の明瞭さなど、確固たる信念をもって組織の健全な運営に努めていきましょう。
むすびに
「If you can dream it, you can do it.」
「夢見ることができれば、それは実現できる。」
ウォルト・ディズニーの名言です。私は、夢のもつ力を信じています。全ての原動力につながるものだと確信しています。岡山青年会議所には多くの人材がいます。私は、様々な経験をさせていただく中で、奇跡的な出会いの数々に恵まれました。一つひとつのめぐり合いがまるで運命だったかのように思えます。その多くの出会いの中で共通して感じるものがあります。それはメンバーの一人ひとりがまちのことを真剣に考え、自分たちが住み暮らすまち「おかやま」をより明るい豊かな社会にするために、大志をもって活動しているというところです。この魅力をもった人材の集団が岡山青年会議所です。
地域やまちをより良くすることは、簡単ではありません。簡単ではないからこそ、自らが抱いた大きな夢を本気で語り合い、それを実現するために全力で突き進むことが、我々が青年として、そしてリーダーとして、示すべき姿なのだと考えています。多種多様な人材がいる「唯一無二」の岡山青年会議所ならば、地域やまちをより良くすることができると、私は信じています。
我々はこれからも、自分たちの思い描く夢を真剣に語り、地域への愛を深め、市民に自分たちが考える理想の姿を示し、それを実現するために仲間と切磋琢磨し、多くの他団体と協力し合い、覚悟をもって何事にも挑戦をしていかなければなりません。それこそが岡山青年会議所の存在意義であり、先輩諸氏から受け継いできた創始の精神だと思います。
その志を我々の世代だけで完結するのではなく、次世代につなげ、全力で前に進み続けることで、今後の岡山青年会議所を今以上に価値のある団体にしていきましょう。志を高くもち、更なる希望に向かって全力で邁進できる我々だからこそ、今後も日本、そして「おかやま」を明るい豊かな社会にすることができると私は信念をもって断言できます。一人ひとりが仲間と共に成長できる活動を進めていきましょう。
最後に、特別会員の皆様、そして関係各位におかれましては、絶大なるご支援、ご協力を賜りますとともに、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。